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日本古来の神様:上筒之男命(ウワツツノオ)の役割とその仲間たち

海に囲まれたわが国、日本、昔から伝わる宗教があります。
それは、「神道」という日本古来の宗教形態です。

仏教が伝わってくるよりも遥か、昔に日本の地で信仰してきた宗教です。

実は、私たちの生活に意外と密接な関係があります。

神道では、八百万もいると言われている神々は、ありとあらゆるところに存在しています。
一年を通して、様々な場面で神様に拝んだり、お参りに行ったりします。

私も思いつく限りでは、

「明日、晴れますように!」

「素敵な出会いがありますように!」

一体、どんな神様にお願いしているのでしょう。

本当に空を仰ぎ祈った経験は、誰にでもあると思います。
自然や海にお願いすると、どこかの神様が聞いてくれているはずと。

言い方が悪いですが、「適当に」。
その「適当」を今日は1つ明確にしていきます。

日本で、切っても切れない海の神様、上筒之男命(ウワツツノオ)という神様についてご紹介していきます。

彼の誕生に至るまでが大変、興味深いお話があります。
私は、簡単に神様が生まれてくるお話しに驚きました。

是非、神様を一人、知ってください。

もくじ

日本最古の神話に登場

日本最古の神話とは「古事記」のことをいいます。

古事記は、または歴史書と解釈する文献です。
上巻・中巻・下巻と分かれています。

上巻に主に、様々な神様の物語が書かれています。
そして、こちらの神話に登場するのが、海の神様のウワツツノオです。

物語では、日本の国が生まれる時に、天上の世界で夫婦として登場した、男神のイザナギと女神イザナミが、非常に大きく関わってきます。

上筒之男命(ウワツツノオ)が、登場するのに必要不可欠な神様方なので、神話を少しご紹介します。

黄泉の国~穢れを落とす禊
イザナギとイザナミの間に生まれた最後の子は、火の神の加具土命(カグツチ)という赤ん坊です。

イザナミはカグツチを産んだ時に、大やけどを負ってしまいます。

イザナミはその火傷が原因で命を落としてしまいました。

愛するイザナミを失ったイザナギは悲しく、「もう一度、イザナミに逢いたい。」という一心で彼女との約束を破ってしまいます。

彼は気持ちを抑えられなくなり、黄泉の国(死者の世界)へと向かいます。

イザナミに逢いたい一心で、黄泉の国を何日も何日もさま迷い歩きます。

遂にイザナミとめぐり逢いますが、黄泉の国で生活していた、イザナミの変わり果てた醜い姿を眼にし、イザナギは恐ろしさを感じました。

「黄泉の国ってやはり、こわいですね。」

思わずその場から逃げてしまいました。

必死に逃げ、黄泉の国の入り口に辿り着いた時に、後ろから追ってくるイザナミを食い止めようと、そこにあった大きな岩で、入り口を塞いでしまいました。

イザナギは黄泉の国の穢れ(けがれ)を落とすために、日向の海(現在の宮崎県日向灘)に降り立ったと伝えられています。

海に入り、禊(みそぎ)を行いました。

海の底で体を清めたところ、底筒之男命(ソコツツノオ)が生まれ、海の中ほどで清めると中筒之男命(ナカツツノオ)が生まれ、そして海の海面近くで清めると上筒之男命(ウワノツツノオ)が生まれたそうです。

こちらの神様を住吉三神と言います。

物語、興味深いですよね。
現代にも通じる感じがしませんか?

神様といっても、小説を読んでいるようです。

男は女との約束(禁止行為)を破り、自分の欲望のままに行動する。
そして、記憶の中に残る、美しいままの姿を想像し、きっと女も喜んでくれるはずと。

実際の姿に驚き、嘆き、男は思わず逃げ出してしまう。

そんな姿を見られたくなかった女は怒りに狂い、男を追い詰めるべく凄い形相で後を追う。

まさに、修羅場ですよね。

神話、面白いです

住吉三神の出生の出来事も、非常に安易です。
しかし、その後の三神はかなり重要な役割を担っていきます。

住吉三神の一神、上筒之男命(ウワツツノオ)

古代の神様は、あらゆる名前をもっておりますが、こちらの一神は漢字から意味が読み取れるように、主に3つぐらいでしょうか。

上筒之男命(ウワツツノオノミコト)・表筒男命(ウワツツノオミコト)・上筒之男神(うわヅツノオノカミ)と、上の方の男という感じですね。

他の二神もほぼ一緒です。

神格としての役割

  1. 海上守護神…三神供に、航海や漁業に関わる業界の方々から、崇められています。
    →航海の安全。船旅の安全。豊漁を祈願。
  2. 和歌の神 …文学、特に和歌に関する神。
  3.  国家守護神…神功天皇の三韓征伐に関連している国を守る神様。
  4. 水からの恵み(水に関わる)を祈願する対象となります。

住吉三神を祀る神社は全国にありますが、各々の神社によって特化したご利益がちがうことがあります。

全国にある住吉神社のご利益をしっかりと理解して、参拝したほうがよいですね。

各地の神社

ウワツツノオを含む住吉三神を祀る神社

  • 住吉大社(大阪市住吉区)
  • 住吉神社(山口県下関市)
  • 住吉神社(福岡市博多区)
  • 風浪宮   (福岡県大川市)
  • 高良大社(福岡県久留米市)
  • 安住神社(栃木県塩谷郡)

全国にもっとありますが、主な神社です。
ここで、2か所の住吉神社と住吉大社をご紹介します。

住吉三神をお祀りする場所

二か所の神社と大社のHPを覗くと非常に興味深く、ウワツツノオ達三神が非常に崇められていることが伝わってきます。

こんなに、読み物として面白いと思ったのは初めてです。」

住吉神社(福岡市博多区)

全国に2,000社以上ある住吉神社のなかで、最初の神社と云われています。
非常に古く1,800年以上前に遡り、「すみよしさん」として歴史を綴ってきたようです。

ご祭神は言うまでもなく、住吉三神ですがこの他にミソギ(禊)に関わるミソギハラや天照大御神(アマテラスオオミカミ)や神功皇后(ジングウコウゴウ)を配し、住吉五所大神と呼ばれています。

三神の名前にある、つつのを(筒男)の「つつ」には、星の意味があると云われ、航海・海上の守護神として崇拝されているようです。

「夜の海にでたら、まず、北斗七星をみつけろ」

聞いたことがありますが、何か関係があるのでしょうか?

もう一つ興味深い情報、うんちくの記載がありました。

大神をお祀りしている住吉神社は全国にありますが、そのほとんどが海側にあるようです。
これは、必然的なのでしょう。

参考資料:【越前國一之宮 住吉神社HPより】(https://www.nihondaiichisumiyoshigu.jp/

住吉大社(大阪市住吉区)

こちらのHPでは、まず「宮司のあいさつ文」が目をひきました。
住吉三神の重要性を例えている表現が納得でした。

海の底では、龍宮城に例え、真珠や珊瑚などの宝物や海底資源があります。
海の中ほどは、漁獲などの海の幸が得られます。
海の表面(上)では、船路によって人々が往来し文化や物が行きかう。

きちんと三神が三神たる所以を表しているとおもいました。

「さすが、神武宮司!」

わかりやすいです。

年間、140件もの多彩な神事があるそうです。

その中でも、珍しいもので「相撲の神」が祀られているようで、現代でも10月17日の近くの日曜日には白熱した相撲大会が、行われているようです。

まだまだ、建築様式の紹介など興味深い情報が満載です。

参考資料:【住吉大社HPより】(https://www.sumiyoshitaisha.net/

まとめ

  • 日本最古の神話に登場
  •  住吉三神の一神、上筒之男命(ウワツツノオ)
  •  住吉三神をお祀りする場所

私は、今回神社のHPをじっくりと読み込んでしまいました。

登場する神様の名前などは難しいですが今回、一神、上筒之男命(ウワツツノオ)を知ることができました。

私たちが、見て耳にしてきた事柄は全て繋がりがあるのだと、少し理解できました。
色々なことを断片的に、

「うん、聞いたことがある」

「ここ、見たことがあるかも。」

記憶の何処かに収納されているのだとおもいます。
昔から信仰されてきた神道は、そんな神様の誕生や物語で成り立ってきた宗教ということです。

自然に囲まれた私たちの生活には無くてはならないものですね。
まだまだ、八百万ともいる神様には乞うご期待です。

「おねがいします!」

今回は海に向かってお願いしましょう。

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