オオヤマツミを崇める神社は全国各地にたくさんあります。
しかし、いったいオオヤマツミとは何者なのでしょうか?
「名前を聞くと山の神なのかな?」
「酒造の神とも言われているの?」
「金運や商売の神としても信仰されている?」
「軍神の可能性も?」
「いったいどれが本当なの!?」
と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
近所にあるけど、よく知らずにお願い事はしていました。
そりゃ全然お願い事なんて聞いてくれませんよね。
今回の記事では、オオヤマツミがどんな神様なのかを紹介します。
私と一緒にオオヤマツミマスターになって、お願いを聞いてもらいましょう!
オオヤマツミとは?
オオヤマツミとは、日本神話に登場する山の神で、オオヤマツミノカミと呼ばれ、古事記では『大山津見神』、日本書紀では『大山祇神』と表記され、登場します。
オオヤマツミは、漢字でも分かるように『大きな山を積み上げる』という意味を持つため、『山の恵みや力を重ねる存在』となり、山の神と言われています。
元々日本は、農業や狩猟などで生活する人が多かったため、オオヤマツミは古くから山の神として信仰されてきました。
そのため、現在でも山岳の無事を祈る際には、オオヤマツミに祈願することにつながっているようです。
オオヤマツミのルーツ
オオヤマツミは、古事記や日本書紀に登場する神で、神産みと呼ばれるイザナギノミコトとイザナミノミコトから誕生しました。
イザナギノミコトとイザナミノミコトが創り出した自然神の一柱であるオオヤマツミは山岳の神としての役割を持っています。
山と森を通じて生き物全体の調和を守る役割があるとされています。
そんな山の神としての役割を担いながら、子沢山だったことも知られています。
草と野の神であるカヤノヒメと結ばれたオオヤマツミは、天之狭士神(アメノサヅチノカミ)・国之狭士神(クニノサヅチノカミ)、天之狭霧神(アマノサギリノカミ)・国之狭霧神(クニノサギリノカミ)、天之闇戸神(アマノクラドノカミ)・国之闇戸神(クニノクラドノカミ)、大戸惑子神(オホトマトヒコノカミ)・大戸惑女神(オホトマトヒメノカミ)の父です。
それぞれ対になる神なので、この時点で8人のパパです。
そして、神大市比売(カムオホイチヒメ)、石長比売(イワナガヒメ)、木花佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ)、木花知流比売(コノハナチルヒメ)の4姉妹のパパでもあります。
また、足名椎命(アシナヅチノミコト)・手名椎命(テナヅチノミコト)の父でもあります。
つまり、オオヤマツミは14人の子供がいるわけです。
さすが
「山の神!」
という感じですね。
オオヤマツミの別の顔
オオヤマツミは山の神以外にも信仰されているようです。
まずは、酒造の神。
なぜそう呼ばれることになったのかというと、コノハナサクヤヒメがニニギノミコトと結婚する際の宴でオオヤマツミがお酒を振舞ったことに由来するようです。
娘の結婚式でとっても嬉しかったのでしょうね。
そして山の神からの派生で恵みの神として、金運や商売繁盛の際にも登場します。
さらに、皆さんは山の神と聞いてどんなイメージを持ちますか?
私は、
「大きい、強そう」
というイメージを抱きました。
同じように雄大なイメージを持たれ、軍神としても信仰されているようです。
さらに、「和多志大神(ワタシオオカミ)」という別名を持ち、海の神としての役割を担っていたとも言われています。
このことから、色んな顔を持っている神であることが分かりますね。
オオヤマツミの逸話
先ほどお伝えしたように、コノハナサクヤヒメの結婚の宴でお酒を振舞ったことにより、酒造の神と呼ばれることになったオオヤマツミですが、コノハナサクヤヒメの結婚の際にもう一つ逸話が残されています。
ニニギノミコトがコノハナチルヒメに一目ぼれし、オオヤマツミに結婚の承諾をもらいに行った時の話です。
オオヤマツミは、コノハナサクヤヒメと結婚したかったニニギノミコトの元にイワナガヒメも嫁がせました。
頭に“?”がたくさん浮かびますよね。
実は、オオヤマツミは、ニニギノミコトの天孫が花のように繫栄し、岩のように永遠でいられるようにとの願いを込め、2人の娘を差し出したそうです。
しかし、ニニギノミコトはイワナガヒメの容姿や霊力が受け入れられず、オオヤマツミに送り返してしまいました。
そのため、ニニギノミコトの子孫(天皇)は一般の人間と同じように短命になってしまったと言われています。
オオヤマツミについてのまとめ
- オオヤマツミは山の神として信仰されている
- オオヤマツミは、神産みから生まれ、子供がたくさんいる
- オオヤマツミは、様々な顔を持っている
- オオヤマツミは、2人の娘を同時に嫁に出したことがある
オオヤマツミは、山の神の名の通り、豪快で大いなる神であることが分かりましたね。
私は、酒造の神と呼ばれるくらい、娘の結婚を喜び、宴でお酒を振る舞うオオヤマツミを
「可愛い」
と思ってしまいました。
そんなオオヤマツミは、アウトドア人気が高まってきた今の時代で、山岳の神として再認識・信仰されることも増えてきているようです。
色々な顔を持つオオヤマツミを理解し、信仰していくことで、山のように豊かな人生を歩んでいきましょう。