イザナミ(女神 伊邪那美命)とは～日本神話 生と死の象徴～

日本列島がどのように誕生したか想像したことはありますか？
神話の中では、すべて神々が造ったとされています。

我々が住む日本国では、日本神話というものが存在し、その中でたくさんの神々を生んだのがイザナミです。

私は、

「え？ 神様にもお母さんがいるの？」

と、驚きました！

それこそ昔話のような、“あるところに神がいました”といった、漠然としたイメージしかありませんでした。

○○の神様ってたくさん耳にしますよね！

では、その神々の偉大なる母、イザナミはどのような神だったのかを詳しく見ていきましょう！

中心的な存在

イザナミ（女性神）は、イザナギ（男性神）と互いに惹かれあい、結婚して夫婦神となりました。

他の神々の命令により、二人で“国生み”をすることになります。
初めの何度かは、“国生み”に失敗してしまいました。

しかし、他の神々の助言によって“国生み”を成功させ、神話の中では14の島を生んだとされています。

最初に成功したのは淡路島であり、次いで本州、四国、九州など日本列島とされる大八島等の島々を生みました。

“国生み”に成功した2人は、“神生み”も始めることになりましまた。

2人が生み出した神は35とされていますが、神話を読みながら数えると更に多くの神を誕生させています。

その為、イザナミは日本神話の中では中心的な存在とされています。

象徴

イザナミは日本神話の中で生と死の象徴とされており、後世に大きな影響を与えています。

生

イザナミが誕生させたとされる35の神々。
中でも有名とされる神々がこちらです。

神話の中では一人で“神生み”ができるようになったイザナギから生まれたことになっています。

しかし、日本の建国にも関わる神として知られるスサノオノミコトの神話にて登場する“亡き母”がイザナミであることが有力であるとされています。

アマテラスオオミカミは国家神道の最高神とされています。
また、天皇家の祖となる神様としても知られています。

ツクヨミノミコトは日本の暦や年中行事などに関わる神様です

これらの神々は“三貴神”と呼ばれる姉弟であり、スサノオノミコトの“亡き母”がイザナミであることから、アマテラスオオミカミとツクヨミノミコトの母もイザナミということになります。

日本という国を盛り上げた三貴神を誕生させたとされるイザナミは“生”の象徴とされています。

死

イザナミは、火の神である火之迦具土神（ヒノカグツチ）を生んだ時に、自身の身体に傷を負ってしまいます。

その傷が原因で命を落としてしまいました。

夫であったイザナギが黄泉の国へイザナミを取り戻しに行きます。

しかし、黄泉の国での話し合いでイザナギが約束を破り、二人は喧嘩になり、別れることになってしまいました。

こうしてイザナミは黄泉の国の住人となってしまうのです。
イザナミは“黄泉津大神”（黄泉の主宰神）と呼ばれ、死を司る神となりました。

喧嘩の時に発した

「一日に千人殺す」

というセリフが、人間の寿命を造ったとも言われています。

これが“死”の象徴と言われる所以です。

比婆山久米神社

イザナミが祀られている神社は多数ありますが、比婆山はイザナミの御陵だと伝えられています。

イザナミのご利益

多くの神々を誕生させたことから、安産祈願で足を運ばれる方が多いです。

比婆山山頂付近には、男竹に女性的な笹が付いた“陰陽竹”（インヨウチク）というものがあります。

イザナミが出産の際に比婆山に上り、持っていた杖を地中にさしたところ根や葉が伸び、陰陽竹になったと言われています。

こちらは島根県の天然記念物に登録されています。

イザナミの伝説として語り継がれるものを身近にみられるなんて、貴重な経験ですね。
一度は足を運んでみたいものです。

まとめ

イザナミとは

たくさんの“国生み”と“神生み”を成功させたイザナミ。
その“神生み”によって命を落とし黄泉の国の神となったイザナミ。

生と死、真逆の神となりながらも、たくさんの重要神を誕生させたとされる神話。

不思議な感覚にとらわれてしまいます。
想像力を駆り立ててくれますよね。

神同士の結婚があり、神も母となり、神も命を落とすことがある。

今まで、

「神」

と言われて何となく想像していただけのものとは違って、とても興味深いストーリーだと思います。

神話なので現実的な話ではないですが、昔から語り継がれてきた物語。
何百年も語り継がれるのには理由がありますよね。

個人的には、イザナミは最初に知るべき神ではないかと思います。
イザナミとイザナギ、夫婦神があってこその神々ですから。

たくさんのご利益があるとされる女神イザナミ。
みなさんにもご利益がありますように・・・。