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オオクニヌシとはどんな神様?国作りを行った優しき神を紹介します!

古事記では沢山の神様を生み出したイザナギとイザナミをはじめ、様々な神様が登場します
高天原に住まうアマテラスをはじめとした神々や豊葦原中国(地上)に住まうオオクニヌシを筆頭とする神々など八百万の神がいることはご存じでしょう。

世界中を見てもこのような多神教は珍しいそうで、日本神話は今の日本人の礎になっていると私は感じています。
そうした神様が神社に祀られていたりゲームや小説などに用いられることも多いので、神様の名前を聞いたことがあるけれど、どのような神様なのかを詳しく知らないことも良くあります。

私もイザナギやイザナミ、アマテラスなど有名な神様であれば知っていますが、他の神様となると詳しい伝説までは把握していないことも良くあります。

今回は豊葦原中国に住む国津神の主神となるオオクニヌシとはどのような神様なのか?またどんな伝説が残っているのかを徹底解説致します。

もくじ

オオクニヌシとはどんな神様?

まず、日本の神様は住む場所により大きく3つの勢力に分かれています。

  •  高天原(天の国)に住む天津神
  •  豊葦原中国(地上の国)に住む国津神
  •  根の国(地の底の国で黄泉の国)

オオクニヌシ(大国主神)は豊葦原中国の出雲の国に大国を作った国作りの神様です。
オオクニヌシはスサノオの子孫で、オオクニヌシと名乗る前はヤチホコやオオナムジなどの別の名前で呼ばれていました。
オオクニヌシの名前は有名だったので聞いたことありましたが、それ以外にも沢山の名前があったことは驚きでした。

また、大国主神の大国が『ダイコク』とも読めるため、『だいこくさま』と呼ばれることもあります。
だいこくさまといえば七福神に含まれる神様を最初に思い浮かべることでしょう。

しかし、七福神に入っている大黒様は大黒天という神様で、ヒンドゥー教のシヴァ神の化身であるマハーカーラがルーツになりますのでオオクニヌシとは別の神様なんですね。
オオクニヌシについては少し知っていましたが、だいこくさまという呼び名は知らなかったですし、人間の同姓同名のように同じ読み方の別の神様がいるってのもなんだか不思議ですね。

因幡の白ウサギ伝説

オオクニヌシには沢山の兄神たちがいました。
兄神たちは乱暴者で意地が悪く、心優しいオオクニヌシはいつもひどい目に遭わされていました

ある日、因幡にヤガミヒメという美しい姫がいるという噂を聞きつけた兄神たちは結婚を申し込むために旅立っていきました。
オオクニヌシは兄神達に重い荷物を押しつけられていたこともあり、後を遅れながら付いて行くことになります。

しばらく進み因幡の国の気多の岬にたどり着くと、海岸にサメに皮をはがされて傷ついている一匹の兎と出会います。
その兎は兄神達に嘘のキズの治し方を教えられていたため、かえって傷が悪化してしまっていました。
かわいそうに思ったオオクニヌシは正しい傷の治し方を教えたところ、みるみるうちに治っていったため、兎はたいそう喜び、

「ヤガミヒメは貴方を結婚相手に選ぶことでしょう」

という予言を残して去って行きました。
そして兎の予言の通り、ヤガミヒメは兄神たちの求婚を断り、遅れてやってきたオオクニヌシと結婚することになります。

因幡の白ウサギは有名なお話しですので聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
私も小さい頃に本で読んだことがありましたが、改めて読み直してみて気付くことも沢山ありました。

命を狙われるオオクニヌシ

嫉妬深い兄神たちはヤガミヒメを手に入れたオオクニヌシのことが憎くてしかたがなく、殺害することにしました。

赤い猪

オオクニヌシを伯耆の国(ほうきのくに)にある手間の山の麓へ連れて行き、珍しい赤い猪を山頂から追い立てるので、下で待ち構えて捕まえるように命じ、兄神達は火で真っ赤になるまで焼いた大岩を山頂から投げ落とします。
オオクニヌシは赤い猪だと信じて大岩を受け止めてしまったため、無残にも焼きつぶれて絶命してしまいました。

オオクニヌシの母であるサシクニワカヒメは息子が死んでしまったことを知ると嘆き悲しみます。
そして天の神のカミムスビに対して助けを求めました。
願いを聞き届けたカミムスビは赤貝の神様キサガヒヒメとハマグリの神様ウムギヒメの二人を地上に派遣します。

キサガヒヒメが貝殻を使いオオクニヌシの体を大岩から引きはがし、ウムギヒメが母乳と清水井の水で練った薬を塗って治療をすると、オオクニヌシは無事息を吹き返します。

今でもこのときに水をくんだ泉は清水井として鳥取のお寺に残っているそうです。
神話の時代の場所が残っているってロマンがありますね。

2度目の殺害計画

オオクニヌシが生き返ったことを知った兄神達は再び殺害することを決め、大木を切り倒してそこにくさびを打ち込み割れ目を作りオオクニヌシにその割れ目の中に入るように命じます。

オオクニヌシが命令に従い木の割れ目の中に入ると、兄神達がくさびを抜いてしまったため木の割れ目が閉じてしまいオオクニヌシは挟まれて死んでしまいました。
再びオオクニヌシが死んでしまったことを知ったサシクニワカヒメは木を開いてオオクニヌシを助け出し生き返らせます。

このままでは再び狙われると考えたサシクニワカヒメは木の国(きのくに、現在の和歌山県)へ逃がすことにしました。
兄神達は三度オオクニヌシを殺害するためにオオヤビコの元に現れ、オオクニヌシを引き渡すように命じてきました。
このままではまた殺されてしまうことになると思ったオオヤビコは

「スサノオのいる根の堅州国に行きなさい」

とオオクニヌシに伝えて逃げ延びていきます。
オオクニヌシ、危機一髪という流れはまだまだ続きます。

スサノオの試練

オオヤビコのすすめで逃げ延びた根の堅州国とは地の底の国のことで、スサノオが治める国でした。
根の堅州国にたどり着いたオオクニヌシはスセリビメという女性と出会い、お互いに一目惚れしその場で結婚することを決めました。
このスセリビメはスサノオの娘であったことから、オオクニヌシはスサノオに会いに行きます。

スサノオはオオクニヌシのことが気にいらず、オオクニヌシに岩屋で寝るように命じます。
その岩屋の中には沢山の蛇がうごめいていたのですが、スセリヒメが用意してくれた蛇の比礼(へびのひれ)のおかげで難を逃れることが出来ました。

次にスサノオはオオクニヌシにもう一度岩屋に泊まるように命じます。
今度はムカデと蜂が現れますが、再び蛇の比礼のおかげで無事にやり過ごすことが出来ました。

まだまだスサノオからの試練は続きます。

今度はオオクニヌシを狩りに誘い、スサノオが野原に向かって鏑矢を放つとオオクニヌシにその鏑矢を拾ってくるように命じました。
オオクニヌシが命令に従い野原へ矢を拾いに行くのを見届けると、スサノオは野に火を放ってしまいます。

オオクニヌシが火に囲まれて困っていると、そこに一匹のネズミが現れアドバイスをくれ、地面に穴を開けて難を逃れました。
オオクニヌシって色々な人や動物に助けられていますね。

さらなる試練がオオクニヌシを襲います。

スサノオがオオクニヌシに頭のシラミを捕るよう命じました。
しかし、スサノオの頭にいたのはシラミではなくムカデでした。
オオクニヌシはスセリビメから貰った木の実をかみ砕き、赤土を混ぜてムカデのようにして吐き出すと、ムカデと勘違いしたスサノオは油断して寝てしまいます。

さぁ、逃げ出す好機と思ったオオクニヌシはスサノオの髪を柱に結びつけ、更に入り口を大岩で塞ぎ、スサノオの太刀、弓矢、琴を持ちだして逃げることにしました。

逃げる途中に琴をぶつけてしまった音でスサノオは目を覚ましますが、髪を柱に結びつけられていたためすぐ追いかけることが出来ませんでした。
オオクニヌシが黄泉比良坂(よもつひらさか)までたどり着いたとき、スサノオが追いついてきましたが一足先にオオクニヌシは地上へとたどり着きます。
その時スサノオは

「おまえが持つ太刀と弓矢を使い、従わない兄神達を追い払え。
おまえはオオクニヌシと名乗り、スセリビメを妻にして天に届くほどの立派な宮殿を建てて豊葦原中国を治めるが良い」

と言い残して帰って行きます。
今までオオナムジと名乗っていましたが、これを機にオオクニヌシ(大国主神)と名乗り始めることとなります。

地上に戻ったオオクニヌシはスサノオの言葉に従い兄神達を追い払い、豊葦原中国を治めることに成功します。

さんざん苦労して国を起こしましたが、高天原の神アマテラスが自らの子孫により統治すべきという思いを持ったことにより、アマテラスの子孫であるタケミカヅチに国を譲り立派な神殿を地上に建てるように願い出ます。
このときに建てて貰った神殿というのが現在の出雲大社となったそうです。
最後は高天原の神々(天津神)に統治権を渡すことになるのはかわいそうだと思いますが、心優しい神様なので戦になるのは嫌だったんでしょうね。

まとめ

  •  オオクニヌシとはどのような神様だったのか?
  •  オオクニヌシにまつわる伝説について紹介

国津神の主神であるオオクニヌシについて詳しく解説をしました。
オオクニヌシ以外にも色々な名前があったことや有名な因幡の白ウサギ伝説以外のお話しについても触れることが出来ました。
オオクニヌシが何度も命を狙われるなどの苦難を乗り越えて国起こしが出来たのは、色々な人の助けを借りることが出来たからで、人と人を結びつける縁結びの神様としても知られています。

やはり困難な出来事に遭遇したとき一人で立ち向かうことは大変です。
その時に誰か助けになる人がいるというのはとても心強いことだと思います。
オオクニヌシのように誰に対しても心優しく接することってとても大事なことですね。

この記事を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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