いい出来事だけではなく、トラウマとなるような出来事にも遭遇するのが人生。
しかし、トラウマが人生の重荷になり
- 過去のトラウマを克服したい
- トラウマによる嫌な感情を解消したい
- トラウマが原因でうまくいくイメージができない
と思うことはありませんか?
私自身もそう思っていました。
いい出来事・いい思い出って、どんどんふんわりしていき、忘れてしまうこともありますが、トラウマだけは臨場感がとても残るので、思い出すと苦しくなったりします。
油汚れよりも何倍も取り除きづらいトラウマですが、実は、苦しい思いをせずにキレイサッパリ取り除く方法があります。
トラウマの克服は、間違いなく早ければ早い方がいいので、ぜひこの記事を読んだらすぐに実践してください。
トラウマは3ステップで解消できます。
- トラウマだと思っていることを紙に書き出す(現状把握)
- トラウマから学べること・得たことを書き出す(解釈を変える・見えている世界を変える)
- 毎日確認して刷り込む(解釈の定着)
まずは、なぜトラウマを克服・解消しようとすればするほどトラウマが強化されるのか?という仕組みを解説しつつ、上記3ステップを詳しく解説します。
トラウマを解消・克服しようとするほどトラウマが強化される理由
トラウマを解消しようとしたり、克服しようとすればするほど、トラウマは強化されていきます。
「え?それじゃあ、トラウマって克服できないの??」
と思うかもしれませんが、そうではありません。
まずは落ち着いてトラウマの仕組み・構造の理解を深めましょう。
なぜ、トラウマを解消・克服しようとするほど強化されていくのかというと、トラウマを思い出す時間が増えてしまうからです。
特に痛みを感じた出来事は、強烈に潜在意識に残ります。
そのため、トラウマを消したいと思う時、まるで好きな映画のワンシーンを思い出すかのように、トラウマになった出来事を鮮明な臨場感をもって脳内で再生します。
潜在意識について知識がある人なら「あ、そうか」と瞬時に分かると思いますが、潜在意識は自分の感情を選別できません。
自分が嫌だと思うこと、好きだと思うことの選別ができず
- 鮮明にイメージできること
- 臨場感が高いこと
を人生の優先順位が高いものだと判断します。
トラウマを消したいと頭では思うのに、潜在意識では
「あ、トラウマだ。願望には臨場感を感じられないのに、トラウマだと感じられるのね。すごい臨場感だね。そうか、あなたはこっちが大切なんだね」
と判断されてしまうのです。
なので、忘れたい・消したい・克服したいと思うほど、トラウマが再生され、トラウマを確認する作業となり、潜在意識にどんどん刷り込まれていきます。
つまり、なかなかトラウマを克服できない理由は、トラウマと真正面に向き合って克服しなければいけないという「やり方への執着」にあります。
トラウマと真正面に向き合って解消・克服するには
- 記憶喪失になる
- 手術で脳神経をいじる
などをしない限り無理です。どう考えてもリスクが高すぎます。
しかし、発想を変えて、解釈を変えて、記憶の書き換えをしていけば、トラウマを解消・克服できるのです。
余談:良いトラウマ・必要なトラウマもある
例えば、子供の頃にお湯を沸かしている熱々のヤカンに触った経験はあるでしょうか?
その経験がある人は「湯気が出ているヤカン」に対してトラウマを持つはずで、そこから連想して「火は危ない」などと学習します。僕もその一人です。
このトラウマは自分の命を守るために「必要なトラウマ」でして、トラウマという言葉ではなく「教訓」という言葉に置き換えられます。
全てのトラウマが人生に悪影響を及ぼしているわけではなく、自分の命を守るため、自分の幸せを守るために「必要なトラウマ」「良いトラウマ」も存在します。
そのため、トラウマを解消・克服しようとする前に、自分がダメだと思い込んでいるトラウマは「本当に悪なのか?」を吟味するのも大切です。
教訓というトラウマを消してしまうと、同じ過ちを繰り返してしまうことになり、その方がツラく苦しい人生を歩んでしまうことがありますからね。
嫌な記憶・経験から得たトラウマを消そうとするのではなく解釈を変えよう
トラウマと真正面に向き合って解消・克服するには、記憶喪失になるしかありません。現実的ではありませんね。
しかし、解釈を変えればトラウマを軽減することができます。
解釈を変えるというのは、自分が見ている視点・フォーカスしている部分を変えるということです。
視点・フォーカスの強力さを実感するミニワーク
視点・フォーカスのパワーを体感してもらうミニワークをご用意しました。
10秒ほどで終わるので是非一緒にやってみましょう!
ステップ1
まずは何も考えずに自分の部屋を見渡してみてください。
自分の部屋にいない場合は、何も考えずに今いる場所を見渡してみてください。
ステップ2
目を閉じて、ゆっくり深呼吸をして「部屋の中に白色の物はどこにありますか?」と自分自身に問いかけてみてください。
ステップ3
ゆっくり目を開けて再度、部屋の中を見渡してみてください。
ステップ4
実感してみてください。
自分の部屋にいる場合は、ベッドやカーテン、テーブル、コップなど白色の物がパッと目に入ってきたはずです。
このミニワークを通して何が言いたかったというと、人間は自分で意識した物を見ているということです。
今のミニワーク後、目を開けた瞬間に白色の物が飛び出てくるように目に入ってきたと思うのですが、もともと白の物は近くにあったはずですよね?
でも、白を意識することで、他の色の存在が薄れて白の物が強調されるわけです。
なぜなら、白い物以外を意識していないからです。
だから「白はどこですか?」と、焦点を当てるポイントを事前にインプットさせる。すると目標物がクッキリ浮かび上がるように見えるようになるのです。
あなたが体験してきた「トラウマ」もミニワークでやったことと同じです。
白色の物が浮かび上がって見えるように、嫌だな・消したいなと思う部分をたくさん見るようになっています。
しかし、他の色も同時に存在しています。
余談でお伝えした熱々のヤカンにトラウマを持つのと同じように、熱々のヤカンに対するトラウマが教訓になっている部分もあるのです。
つまり、何か嫌な出来事・消したい出来事の「ダークサイド」に焦点を集中し解釈をしていると、トラウマが膨張します。
しかし、教訓になっていること・得たことなど、その嫌な出来事があったおかげで「守られている部分・得している部分」に焦点を集中させる。視点を切り替える。
そうすると、トラウマを解消・克服することができます。
腹の底から笑っている時に、悲しい感情を抱くことができないように、同時に複数の視点・解釈を持つことは不可能です。
しかし、どのような視点・解釈を持つかは自分で自由に選択可能です。
トラウマを克服・解消する3ステップ
- トラウマだと思っていることを紙に書き出す(現状把握)
- トラウマから学べること・得たことを書き出す(解釈を変える・見えている世界を変える)
- 毎日確認して刷り込む(解釈の定着)
ステップ1:トラウマだと思っていることを紙に書き出す(現状把握)
お医者さんが患者さんの現状把握をするためにカルテを書かせるのと同じように、自分自身の現状把握をする必要があります。
これは、パソコンやスマホではなく、必ず紙に書き出してください。
あなたがトラウマだと思っていることを紙に書き、きちんと客観視して把握してください。
人によっては、とても苦しく感じる作業かもしれません。
しかし、何となくトラウマだと思い込んでいることが、紙に書き出した瞬間にトラウマが消えることもあります。
トラウマを持っていて、最も気持ち悪く、最も嫌な状態は、何のトラウマを持っているかを自分で明確に把握していない時です。
人間は、見えるものよりも、見えないものに対して恐怖心を抱き、勝手に強化していく習性があります。
なので、しっかりと見える化することで景色が明るくなり道筋が見えます。
ただし、どうしてもトラウマを書き出すのがツラく苦しく感じる場合は、無理にやらなくてOKです。
ステップ2:トラウマから学べること・得たことを書き出す(解釈を変える・見えている世界を変える)
トラウマは自分の魂を成長させる最高の肥料です。
嫌だなと思う出来事・消したいなと思う出来事を体験したから人生が最悪になったのではなく、成長の機会を与えられています。
そして、それを乗り越えられる人にしか成長の機会は与えられません。
自分のトラウマになっている出来事を通して、あなたの魂は間違いなく磨かれていますし、間違いなくあなた自信は成長しています。
しかし、トラウマに真正面に向き合ってしまっていたからこそ、プラスの部分に気づくことができず、メリットを享受できていなかっただけなんですね。
トラウマを最悪だと感じる色眼鏡をかけて世界を見ていたから、ツラく苦しかっただけなのです。
以下の質問に答えてみてください。
[box05 title=”トラウマを書き換える質問”]
- 自分のトラウマになっている出来事を通して、何を学べるでしょうか?
- 自分のトラウマになっている出来事を通して、どんな強さを手に入れたでしょうか?
- 自分のトラウマになっている出来事を通して、どのように成長したでしょうか?
- 自分のトラウマになっている出来事を通して、どのような優しさを手に入れたでしょうか?
[/box05]
事例もご紹介します。
【例:恋愛】
- 恋愛でフラれっぱなしで、自分から告白するのにトラウマがある
⇒自分から告白できる勇気があると知れた
⇒チャレンジする姿勢がある
⇒上手くいかないパターンを手に入れた
⇒恋愛で上手くいかない人の気持ちが分かる
【例:お金】
- 投資で失敗ばかりで投資に対してトラウマがある
⇒自己流で投資を行うと失敗するということが分かった
⇒お金の大切さを改めて痛感した
⇒お金の使い方を磨くキッカケになった
⇒詐欺師を見極める目が養われた
など、自分が持っているトラウマに当てはめてトラウマの中に埋もれている宝物・ギフトに焦点を当てていきましょう。
スキル、才能、気持ち、教訓、学びなど、限界と感じるまでたくさん書き出してみてください。
人によっては、書こうと思ってもなかなか出てこない・思いつかない人もいると思います。
そんな時は、一度に書き切ろうと思わなくてOKです。思いついた時に少しずつ書き足してください。
この解釈を変えるワークをしている間は、トラウマに対する意味付けが潜在意識レベルから書き換わります。
同時に複数の視点に焦点を当てることができないので、トラウマがより強化されることはありません。
安心して取り組んでみてください。
ステップ3:毎日確認して刷り込む(解釈の定着)
人によっては、ステップ2を書き出すことでトラウマが解消する人がいます。
しかし、長年抱え続けてきたトラウマが一瞬で消えることはかなり稀です。
なぜなら、痛みを感じる部分に焦点を当てるクセがこびりついているからです。
なので、新たな解釈が定着するまで、毎日毎日ステップ2で書き出したことを確認しましょう。そして、新しく思いついたら書き足していきましょう。
もちろん、体調が悪い時や気分が落ちている時は、トラウマを思い出しツラくなることもあります。
しかし、それは仕方のないことです。クセを治すには反復しかありません。
なので、ステップ2で書いた紙を毎日確認するのを習慣化しましょう。
新たな解釈が定着してくると、苦しめられてきた感情が徐々に解放されていき「あんな事もあったな〜」と軽くなっていきます。
そして、お笑い芸人が不幸話をネタに笑いを取ろうとするように「笑い話のネタ」になっていきます。
「あの過去があったおかげで今がある。今ならあのトラウマが良かったと少し思えるかも」
という心の変化が出てきたら、トラウマが完全に解消・克服できる前兆です。
何とかして変えたい!と強く思いすぎると、反動がやってくる可能性があるので、自分の心境が少しずつ移り変わっていくプロセスをじっくり味わうようにすると最高です。
ステップ3は、特に夜寝る前にやるのが最も効果的です。
なぜなら、夜寝る前は脳波が落ちて、潜在意識に刷り込みやすいからです。
まとめ
あなたにはあなたにしか体験できない出来事、あなたにしか乗り越えられない出来事がやってきます。
そして、人生をより良く生きたい・早く成果を出したいという願いが強いほど、人生を早送りさせるために、一見するとネガティブな出来事が起きます。
ボーッと生きている人には何も起きません。
トラウマがあるというのは、あなたが前向きに生きてきた証ですし、成長するため、幸せになるための最速最短距離だったのです。
トラウマは強い使命がある人や大きく活躍する人によく与えられるものなので、トラウマに負けずに乗り越えていきましょう。
あなたはそんなもんじゃないはずです。
トラウマは、自分や他人を幸せにしてくれる場所に急ピッチで進めるためのものです。
大切な人生をトラウマに埋もれさせないように、魂を磨いていきましょう(^^)